7.1 巡礼構想
2024年6月20日時点で決定出来たことは一つもありません。情報収集の段階ですが、誰かが行けば、その後は行き易くなるのではないかと考えています。
遭難報告書は入手できていませんが、Google Earthや標高マップから、BCへのアプローチとして3案を検討しています。2つの案は、沢沿いの道を利用するものですが、何処まで道が伸びているか不明です。Himalchuliはヒマラヤ山脈の南に有るのでインド洋からのモンスーンを受け易く、南面からのアプローチとなると、降雪量も融雪量も大きい山域と思われます。Google Mapsを見るとマルシャンディ川や支流には各所に発電所があり、落差は小さくても流量があれば効率的な発電ができます。流量がある沢の遡行、渡渉は大変です。発電所建設を目的としたと思われる道路が上流へ伸びてはいますが、真新しく、ブル道のようでもあり、途中で不通になる可能性があります。
現在、Himalchuli西峰から南西へ伸びる尾根ルート(尾根取り付きにより複数案あり)を本命と考えています。尾根ルートの終点(4,400m付近)にはMeme Pokhari(聖地的雰囲気・近くの丘からはHimalchuliや長谷の埋葬地も望めそう)と名が付く美しい氷河跡湖(Webにアップ写真があるので、ここまで通行は可能)が有ります。ここでは水を確保できるので、C3としています。尾根を辿るので。森林限界からは展望も良いと思います。C3から南西壁BCへは、1,000m程度降らなければなりませんが、侵食ガリーの無い東向き斜面を利用することが可能と思われます。
何かヒントはと、「ヒマラヤの高峰 Ⅰ」Himalchuliを捲れば、なんとティルマンが長年に渡るヒマラヤ最後年の旅として、アンナプルナ方面からの帰路、Himalchuli偵察を目的にMeme Pokhariの辺でキャンプしているではありませんか。至るルートは南西尾根、バハラ・ポカラ・レク(大きな・湖・山稜)とあります。ティルマンが幻滅を感じたと言う Meme Pokhariの描写は、Webで見た重ねられた石と供物の写真と同じでした。1950年から70年を経て、ここは未だ聖地の役割を果たしているようです。社会人になって早々、勢いで買った「ヒマラヤの高峰」全三巻が、初めて役に立ちました。
(1)ルート検討図 緑ルートは最終集落から尾根までの道は不明瞭、尾根上は樹林帯となっていますが、踏み跡らしきものも散見できます。森林限界より上部は放牧地利用がされているようです。黄ルートは尾根まで明瞭です。尾根までのアプローチは緑より長いですが、尾根上の距離を短縮することが可能です。(画面クリックにより図は拡大できます)
(2)南西壁BCへのルート検討図 Meme Pokhariからは東斜面を利用します。
(3)緑ルート縦断図 左端が起点集落となるLamjung
(4)ガイドマップ(1984年) 中村より
行動案1(緑色ライン)
基本 10泊11日
- カトマンズ集合
- カトマンズからマルシャンディ川沿いのLamjung(バス、チャーター車)
- Lamjung(795m)からPangrekyu(最終集落)C1(1,500m) 10km
- C1からC2(3,700m) 15km
- C2からC3(Meme Pokhari 4,400m) 12km
- C3からC4・南西壁BC(3,800m)5km
- C4からC3(Meme Pokhari 4,400m)5km
- C3からC2(3,700m)12km
- C2からC1(1,500m)15km
- C1からLamjung
- 現地解散・カトマンズへ
- C3(手前の丘)、南西壁BC地点で追悼を想定
- C1まで車チャーターできた場合、8泊9日に短縮可能
- さらにBC行を省略した場合は、6泊7日
- 尾根への取り付きルートは複数あり、最適は不明
課題
- 入域条件が不明
- Lamjungへの移動手段
- 尾根ルートへの取り付き選定
- Meme湖の情報(聖域立ち入り?、関係寺院・僧侶)
- Meme湖を知るガイドとのコンタクト、確保
- C2の水確保
- 行動リスクの抽出
- 緊急時の対応(ヘリ)