ヒマルチュリの氷河を思いながら(岳樺No.26巻頭言) 多田弘美
10月9日の夜、 香西OB会長より電話で、ヒマルチュリへ遠征している長谷さんが死亡したらしいとの連絡を受けた。あまりにも突然の話であるうえに、何千kmも離れた遠い土地での出来事であるためか、まさかと信じがたい気持であった。 翌日の朝刊を見て、やっぱり本当かなとしぶしぶ自分を納得させるしか方法がなかった。その後もくわしい状況がわからないまま日数が経過してしまった。 11月2日に行なわれた告別式に参列して、 自分自身の気持に整理をつけたつもりでいるが、なお割り切れないまま今日にいたっている。
ここ数年、長谷さんは現役の山行によく参加していただいていたし、 放課後の現役のトレーニングにも顔を見せていろいろとアドバイスをしてくれていた。 校内合宿の折には、一年前のダウラギリ遠征のスライドを見せてもらいヒマラヤのすばらしさを紹介してもらった。 ここ一年間程は、現役の生徒にとって一番身近な、しかもすごいOBであった。 部員・顧問のショックははなはだ大である。 部員ともども心からご冥福をお祈りいたします。
ヒマラヤ登山は、ここ十数年の間に非常に改善され、大いに進歩し安全性も高まってきたと考えていた私には、今回のことは、あらためて登山のこわさを教えてくれたように思います。 最近の部の山行では、毎年ほぼ同じ山を目標にしているので、慣れによる不注意をしないよう気持を引きしめていこうと思っています。
四国の山ばかりはいずりまわっている私にとっても、もちろんヒマラヤはあこがれの山です。 今でもチャンスがあればとかなわぬ夢を描いています。 頂上などはとてもとても····· 山麓歩きで十分。草原に横になり 3000mを越える氷の峰を一日中ながめてみたいものです。 それに氷河の末端に手をふれれば。ひそかにナンダデビイ内院やアンナプルナ内院を歩く自分を想像して一人ニヤニヤしたりしてきました。しかし、今年からの私の夢のヒマラヤトレッキングは目標を長谷さんの眠るヒマルチュリに変えます。
この3年間で部員が急増し40名近い大世帯になりました。 立山・合田両先生の新入生への働きかけの成果です。部員が3倍に増えれば、 山行内容も3倍、いやもっと濃くなってもよさそうに思うのですが数字のようにはうまくはいきません。 一人一人の実力が低下しているのかも知れません。 他人にたよる部員が増えたのかも知れません。 部員一人一人の山に対する気持の強化と自分なりに努力し工夫する勢をもっともっと持って欲しいと思います。
今年から、さらに顧問の先生が2人増強されました。文字通り増強です。 仲野先生と越智先生です。OB諸氏の中の何人かの人は、お2人の先生とどこかで顔を合せたことがあるのではないかと思います。高々の校内もしくは讃岐の山の中で・・・・・。
今年は思いきってダンロップのテントを買いました。私はどうもなじめません。 今どきはやらない家型の方が性に合っているようです。 現役の山行の折にはOB諸氏に寝ていただこうと思っていますのでぜひ現役の山行にご参加ください。